総務省の家計調査(2011年)によると、世帯主が60歳以上の無職世帯の生活費は、毎月平均4.4万円の赤字。大半が貯蓄を取り崩して生活しています。
ビックリですか?
あたりまえ!って思いますか?
年齢によって、リアクションは違うでしょうね。
年金の平均収入が約15.8万円、そのほかの収入が約2.3万円。
計約18.2万円の収入に対して、支出が不足してしまう家計が多いんです。
30代、40代の方からすると、親世代は年金で十分暮らせているように
思っているかもしれません。実際、相談やセミナーでそのことを話すと
ビックリされる方が多いですからね。
でも違うんです。そんなに多くの年金をもらっているわけではないんです。
なんとなく、ゆとりがあるように見えるのは、取り崩すだけの貯蓄をしてきたから。
自分たちの老後に備えつつ、マイホームも持ち、子どもを大学まで出して、さらに結婚資金を援助し、孫にお小遣いを渡せるようにと、ちゃんと準備をしてきたんです。
30代、40代の方にも「親世代を見習って、しっかり貯蓄をしてね」と言いたいところですが、正社員で定年まで勤め上げることができた親世代と、今の30代、40代の方は違います。
非正規雇用や安いお給料で働いている人が意外に多い。
働きながら、奨学金を返している20代、30代も多い。
それが現実。
最近、親の世代に、自分たちが苦労をして貯蓄してきた常識を、子どもたちに押し付ける傾向がよくみられるようになりました。
シニア世代の相談者が、口をそろえて言うのが、
子どもたちに
「貯蓄しなさい」
「保険で貯蓄を!」
「家は買っておいた方がよいのよ」
「住宅ローンは繰り上げ返済しなさい」
などなど、一生懸命にアドバイスしているのにちっとも実行してくれない
というお嘆き。
その都度、
「シニア世代の現役時代と今の若い方の暮らしぶりは大きく違います。親の常識をお子さんに対して押し付けないで」
と、お伝えしています。
この経済状況の中でも、彼らは、とってもがんばっているのですからね。
人はみな、自分たちにふさわしい暮らしかたを見つけていけばよいのです。
「保険で貯蓄」より「投資」
「家を買う」より「生涯賃貸」
と、「退職金」自体が無かったり、自分で運用したりする時代の世代には、新しいやり方があります。それに合わせて暮らしていけばよいのです。
ただし!
暮らしを、思わぬ人生の危機から守ってくれる「人生のエアバッグ」として、すぐに現金化できる、半年〜1年分の生活費に相当する貯蓄は最低でも必要です。
これは、20代〜50代の、どの世代にも言えること!
「エアバッグが装備された人生」でありますように。
応援していますよ!